舞台評No.13 七月大歌舞伎 NINAGWA 十二夜
七月大歌舞伎 NINAGWA 十二夜(Tweifth Night)
作 シェイクスピア
訳 小田島雅志
脚本 今井豊茂
演出 蜷川幸雄
出演 尾上菊五郎
尾上菊之助
中村時蔵
中村信二郎
尾上松録
市川左團次
かのシェイクスピアの名作喜劇「十二夜」を、かの演出家蜷川幸雄氏の演出で歌舞伎座初上演!!
数々の舞台で上演されてきた、嵐の海で遭難した貴族の双子の入れ違いが巻き起こすロマンティック・コメディーが、日本に舞台を置き換え、歌舞伎役者が演じる、それも奇才の演出家蜷川氏が演出を担当するのだから、興味を惹かない訳がない…。
しかし、第一印象は、と言えば、良くも悪くも蜷川演出の極み…。
舞台全体に鏡を使い、観客自身をも写りこむ演出は、蜷川演出も観た事のない歌舞伎ファンには驚きに写るのかもしれないけど…。後はマスコミ等にこの演出は紹介され過ぎだし、蜷川氏もインタビューで言い過ぎ…なので衝撃度も低いかも。
ただ、かつての野田秀樹演出の舞台よりは、美術にお金使ったかなぁ…って
菊五郎の吹っ切ったような怪演は、さすがに品がある可笑しさで拍手もの。しかし他の役者達は蜷川演出にまだ躊躇してるのか慣れていないのか(左團次でさえ…)、中途半端に見えてしまったのは残念…。
満員御礼!
演目のせいなのか、いつもにまして白人系観客が多かったのには、何故か納得…。
エンディングには鳴り物ではなくバロック音楽…、私的には、何かとって付けたような感じがしてなりませんでしたが、今後も、蜷川演出で有名な作品を歌舞伎で演じるのもありかなぁ…って思えた終演後でした(笑)。
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