舞台評No.21 第7回 西川箕乃助の会(西川流宗家)
第7回 西川箕乃助の会(西川流宗家)
長唄 汐汲(しおくみ)
戯(たわむれ) 創作
平成十七年度第六十回記念文化庁芸術祭参加
国立劇場(小劇場)
古典と創作の二演目の舞台。
長唄 汐汲では女心を巧みに素踊りで舞い、創作 戯では西川氏自身の構成・振付で二人の男性の踊り手と激しいまでの舞いを披露してくれた。
戯での二つ折りの折りたたみ椅子を使うアイデアは、西川氏が「勝ち組負け組み」と言う風潮に疑問を投げかけ構成・演出した意図を活かし、複雑かつ難解な人間の内面が表現されていた。
女性の健気さの中の情熱も、男性の力強さの中に隠された繊細さも、独りの踊り手が演じる事に日本舞踊の伝統や奥深さ、そしてそれを演じきるには、たゆまない努力と感性が必要である事を、改めて感じさせられた。
唄、三味線、囃子の演奏家も若手を起用、創作ではツトム・ヤマシタの打ち込みと囃子を融合させ、その意欲がひしひしと伝わってきた気がした。
日本舞踊における古典や伝統も大切だと思うが、それらに捉われず創作を創り続けて欲しいし、そのパワーをこれからも期待したい!
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