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April 22, 2006

舞台評No.31 父帰る/屋上の狂人 (シス・カンパニー公演)

父帰る/屋上の狂人 (シス・カンパニー公演)

作   菊池寛
演出  河原雅彦

出演  「父帰る」      草なぎ 剛
                 勝地 涼   西尾まり
                 梅沢昌代   沢 竜二

     「屋上の狂人」   草なぎ 剛
                 勝地 涼   高橋克実  
                 キムラ緑子  宮川一人
                 梅沢昌代   沢 竜二


2006/4/21 シアタートラム


作家・菊池寛の短編が原作、どんな時代にも変わることのない日本人の心を題材にした、ストレートプレイ2作品。

10分の休憩をはさんで、全体で1時間強の舞台なので、1本は30分弱で、あっと言う間。
20時開演で、21時05分には終演。
舞台と言えば、2時間~3時間…長い舞台に慣れているので、妙に新鮮な感覚が…。

初めて行くシアタートラムのキャパは200人程度。客席間の高さも考えられていて、前の人の頭をあまり気にせずに観れるし、舞台のタッパも高くて、個人的に大変気に入りました。


「父帰る」

時代は明治初期の頃なのだろうか、放蕩の果てに家族を捨てた父親が、ある日突然帰ってきた。
父迎え入れる、母と3人の兄弟妹の感情や愛情は 、どう揺れ動くのだろう…。

長男役はSMAPの草なぎ剛、力み過ぎの感じもあったが、良く通る声でセリフも聴き取り易かった、しかし少し一本調子だった気も…。
次男役の勝地涼は、青年らしい清々しさが良く出ていた。年相応な役なので無難にこなしていたが、これから色々な役と舞台を積み重ね、舞台役者として大きくなって欲しい。応援(笑)!

ただ、演出も脚本もあまりにストレートで古典的なので、観客の多くを占めていた若い女性達には、どのように感じられたのだろう。


「屋上の狂人」

こちらも同じ時代か、日がな一日屋根に上り、空や神様と話す、ただただ純粋な兄と、そんな兄を愛する心優しい弟。
人間にとっての幸せや真実とは…。

同じく狂人と思われる兄役には草なぎつよし、そして心優しい弟役には勝地涼。
何とも言えないフンワカした狂人の感じが、ペーソスを感じさせてくれた。
両親役(沢竜二、梅沢昌代)も同じなのだが、他の出演者も含め、やはり全員が弾けた分だけ可笑しく楽しかった。

ラストシーンでの弟のセリフが、この作品が持つ、人の生き方とそれぞれが持つ価値観の普遍性を教えてくれた。

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