舞台評No.39 第八回 西川箕乃助の会
第八回 西川箕乃助の会
平成18年度 文化庁主催芸術祭参加
鳥獣戯画
福原百七 作曲
西川箕乃助 構成・振付
のぞきからくり
江戸川乱歩“押絵と旅する男”より
鈴木英一 作
清元栄吉 作曲
福原百七 作詞
西川箕乃助 振付
2006/10/16
国立劇場 小劇場
正直私自身、日本の古典芸能・文化に詳しいわけではない。ホントたまに歌舞伎や文楽、そして落語に行くくらいである。
西川流宗家家元の箕乃助氏は、私と同学年と言う事もあり、機会があれば観に出かけている。
その精進ぶりや創造性、そしてクオリティは益々高まっているように感じられる。
今回の会は4年前に初演された「鳥獣戯画」に若干の手を加えた作品、そして新作「のぞきからくり」の2作品である。
「鳥獣戯画」は、踊りの持つ精神性や感性が、時には激しく、時には優しく、時には怖ろしく、時には滑稽に、観る者に様々なイメージを膨らませてくれる。
江戸川乱歩の小説を題材にした「のぞきからくり」は、映像やナレーションを用いて、よりドラマ性の高い作品になっており、ある意味実験的とも言えるのかも知れないが、主人公の悲しみや儚さがひしひしと伝わってきたし、これからも再演を重ねてもらいたい作品だと思う。
箕乃助氏には、これからも日本舞踊の概念にとらわれない新作を作り出していって欲しいし、新たなる日本の伝統文化の担い手になってもらいたい。
同学年の一人として、応援し続けるつもりです。
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