映画評No.70 パリ、恋人たちの2日間
パリ、恋人たちの2日間
監督・脚本・出演 ジュリー・デルピー
出演 アダム・ゴールドバーグ ダニエル・プリュール マリー・ピレ アルベール・デルビー
2007/フランス=ドイツ映画
この映画を観終わったら、
パリへ行きたくなる?それとも行きたくなくなる?
フランス人が苦手になる?それともフランス人に共感出来るようになる?
主演のジュリー・デルピーは「恋人までの距離(ディスタンス)」や続編の「ビフォア・サンセット」に出演、「ビフォア・サンセット」では脚本から参加してアカデミー賞脚色賞ノミネート。
そしてこの作品では、監督・脚本・製作・編集・音楽・主演までこなす多才ぶり。
とにかくこの映画、シニカルでストレートでコミカルで…彼女、そしてこの作品がフランスの“ウッディ・アレン”のようだと評されているのも分かる気が…。
何となく「恋人までの距離(ディスタンス)」「ビフォア・サンセット」を思わせる冒頭から、どんどん引き込まれていく。
フランス人写真家マリオンとアメリカ人インテリアデザイナーのジャックは、付き合って2年のN.Y.在住カップル。
マンネリ解消のたまにベネチアに旅行へ行くが、飼い猫をパリのマリオンの実家に預けていたので、帰りの2日間だけマリオンの故郷パリで過ごす事になる。
英語がほとんど話せないマリオンの両親(実際の両親が演じているのでとてもリアリィティが)や次々に遭遇するマリオンの過去の男たちやそのかかわり…フランス語の分からないジャックのストレスと疑いと我慢は限界に達していく。
パリと言えば、恋人たちにとってはロマンチックなイメージ、しかし…
フランス人だって、噂にはその辛辣さシニカルさや自国愛の強さ等々について聞いていたが、ここまでとは…
次から次へと起こる事件や出来事のスピーディーさに拍手!そしてそこで交わされる会話のリアルさにまた拍手!
お互いを徹底的に傷つけ罵りあった後に、真実の姿、そして新たな愛が生まれ、より強い絆でふたりは結ばれるのかも…!?
★★★☆☆
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