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October 02, 2008

映画評No.75 おくりびと

おくりびと


監督     滝田洋二郎
脚本     小山薫堂
音楽     久石譲

出演     本木雅弘  広末涼子  山崎努
        余貴美子  杉本哲太  峰岸徹 
        吉行和子  笹野高史
 

2008/日本映画


働いていたオーケストラが解散、チェロを弾く仕事が出来なくなり故郷の山形に戻った主人公・大悟(本木雅弘)。
求人広告の“年齢問わず、高給保証!実質労働時間わずか。旅のお手伝い。NKエージェント!!”の文字に惹かれNKエージェントへ。
しかし、社長の佐々木(山崎努)は「あぁこの求人広告は誤植だな…」そうひと言言ってマジックで“安らかな”を書き足した、“安らかな旅のお手伝い”。
その仕事とは納棺師、遺体をお棺に納める仕事だった。
妻(広末涼子)には冠婚葬祭の仕事だと嘘をついていたが、妻はその仕事内容の事実を知ると実家へと帰って行った。
最初は戸惑いの連続あったが、色々な事情を抱えた人との別れ、それは悲しみだけではなく時には微笑みが、そして感動の連続、やがて納棺師と言う仕事にやりがいと誇りを見出していく大悟だった。

納棺の瞬間を見たことがある人であれば、何か思い出すことがあるかも知れないが、実際自分の記憶を辿ってみると、納棺師の仕事がこの映画のようであったか否かはよく思い出せない。
改めてこの映画を観ると、納棺師の凛とした佇まいと仕事ぶりに、新たな感動とプロとしての誇りを見つける事が出来た事が嬉しかった。

“おくる”人も“おくられる”人も、どんなに小さくても生まれてきた事に感謝出来るよう、そして「ありがとう!」と言えるような最期でありたいと心から思えた。

納棺や納棺師の仕事にまつわるエピソードの数々やとりまく人たちの描き方が感動的なのは確か、しかしこの一見地味で触れ難い職業を映画の題材として取り上げるわけだから、脚本もそれなりに書かれていなければならないのであろう。でもそれが時として、ちょっと作り過ぎかなぁと感じてしまったのは、しょうがないのか…さすがプロが書く脚本だと拍手すべきなのか…個人的には、もう少し淡々とした流れでも良かったのではと思えるが。

舞台となった山形・庄内地方の四季の移ろい、そしてチェロの響きがとても美しくて切なくて…心に沁みた。

亡くなってしまった大切な人を思い出したくなる映画でした。
「ありがとう!」見守っていて下さい…。


★★★☆☆

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