August 21, 2009

舞台評No.66 怪談 牡丹燈籠

怪談 牡丹燈籠


作          大西信行 

演出         いのうえひでのり


出演         段田安則   伊藤蘭   
            秋山菜津子   千葉哲也  
            瑛太   柴本幸   
梅沢昌代   松沢一之   西尾まり
            

2009/8/20 ソワレ    Bunkamuraシアターコクーン


文学座1974年の初演以来、歌舞伎などでも上演されてきた人気演目。
愛と哀しみと憎しみ、そして愚かさ…その因果が生み出した男と女の人間模様を描いた脚本が、とにかく素晴らしい。
3時間近く(15分の休憩あり)の上演時間も、中だるみせず飽きさせない。
続きがあるなら、もっと観ていたいくらい…(笑)。

旗本の娘・お露(柴本幸)は、浪人・新三郎(瑛太)に恋焦がれ死ぬが、その後を追った下女のお米(梅沢昌代)
と共に幽霊となり新三郎の元に通うようになり逢瀬を重ねる。
その様子を偶然に見た新三郎の下働き・伴蔵(段田安則)は、その驚くべき真実を知り、妻のお峰(伊藤蘭)に打ち明ける。
そして物語は、色々な人間の因果を結び絡めながら、想像も出来ない展開をしていく。

劇団☆新感線を主宰するいのうえひでのり氏の演出なので、いつも通りの派手な衣装や装置、アクション等を想像していたのだが、良い意味で裏切られた。
時として分かりにくい場面もあったが、ひねりを効かせ小技を加えた演出に感心しきり。
演技人もそれに応え、段田安則と伊藤蘭の夫婦のやりとり、特に夫婦喧嘩のシーンの力の加減が男と女の機微を上手く表現していて、たいへん面白かったし、下女と夫婦の知り合いのお六の二役を演じた梅沢昌代のコメディエンヌ(あえてそう言いたい)存在感の拍手拍手!!
初舞台であった瑛太…ホント顔が小さい!まぁ、イマドキの青年で舞台映えのする顔の大きさの役者を探して来ようとしても無理なのかもしれないが(笑)。


人間は誰しも因果を背負って生まれて死んで、また生まれて死んで、そしてまた…
心に染み入るエンディングであった。

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June 12, 2009

舞台評No.65 楽屋 ~流れ去るものは やがてなつかしき~

楽屋 ~流れ去るものは やがてなつかしき~


作          清水邦夫 

演出         生瀬勝久


出演         小泉今日子  
            蒼井優
            村岡希美 
            渡辺えり

2009/6/9 ソワレ    シアタートラム


舞台はチェーホフの「かもめ」を上演中のある劇場の楽屋。二人の女優が舞台化粧に余念がない。
そこに主演女優と、かつて彼女のプロンプターを務めていた若い女優が登場。“主役を返せ!”と若い女優が主演女優に詰め寄る。
二人の女優はその光景を見て…。
そして主演女優と若い女優は…。

笑いあり切なさあり、そしてチェーホフやシェークスピアの名ゼリフが散りばめられた清水邦夫作の名舞台。
女優の誰もが一度は憧れる作品だと言われているのにも納得。

渡辺えりの身体を張った演技が可笑しくも哀しい。
キョンキョンは芯の強い中にも可愛さを秘めた、まさに女優。
村岡希美は主演女優としてのプライドを表現。
蒼井優にはやっぱり薄幸が似合う!?

四人の女優のバトルの後味が心地良く、約1時間30分は緊張感を保てる最高の上演時間。

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January 28, 2009

舞台評No.62 冬の絵空

冬の絵空


作          小松純也 

演出・上演台本  鈴木勝秀  

出演         藤木直人  橋本じゅん  中越典子  片桐仁  
中村まこと  内田滋 栗根まこと
            加藤貴子  生瀬勝久        

2009/1/20 マチネ  世田谷パブリックシアター


笑い(バカばかしさも充分!)の中にも鋭く深く重たいメッセージを持った舞台だった…何よりも脚本が素晴らしい!!

誰もが知っている“忠臣蔵”を、自由な発想と史実(!?)を基に大胆に解釈。
百花繚乱に彩られた元禄時代を、時代を超えたエンターテインメント性をたっぷりと盛り込んで表現。

登場人物も多いのに良くまとめられていたし、個々の人物像や個性もよく理解出来た。
中でも、生瀬勝久の役者としての力量に今更ながら驚き…。
初舞台の藤木直人は舞台役者のアンサンブルに懸命に溶け込もうとしていたが、良くも悪くもそのオーラ(!?)が際立っていた、いや邪魔していた…!?

やはり、このメンバーでの再演を望みます!!!

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July 11, 2008

舞台評No.59 SISTERS 

SISTERS


作・演出  長塚圭史  

出演     松たか子  鈴木杏  田中哲司  
        中村まこと  梅沢昌代  吉田鋼太郎  


2208/7/10 ソワレ  PARCO劇場


深い余韻のある舞台だった…。

演劇ユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」の長塚圭史が“マイ・ロックンロール・スター(02年)”“ラストショウ(05年)”に続きPARCO劇場に書き下ろす新作。前2作同様に“血縁”がテーマ。
舞台は地方の女主人を亡くして寂れたホテル。ホテルの建て直しのために残された主人は、自分の従兄弟である東京の人気ビストロのシェフ尾崎に新メニューを依頼する為に、新妻の馨と共にホテルへ招く。
ホテルには亡き女主人の兄で小説家の神城と、その娘の美鳥が10年にわたり暮していた。
そして、少し正気を失いかけているベテランのメイド。
やがて馨と美鳥の会話から、馨の封印された過去と美鳥の隠された過去と現在がクロスし明らかになっていく…。

途中休憩のない同じ舞台セットの135分。しかし、そのセットや動きに、シーンの変化を観客それぞれにクイズやパズルのように投げかけてくる。
セリフや動きのひとつひとつを聞き逃したり見逃したり出来ないような、良い意味での圧迫感と緊張感。
さすがに長塚氏の脚本と演出力。
男性が描く女性の怖さ愚かさ悲しさ儚さの中に、母性や神々しさを見たような気がした。

長塚氏曰く「女性が家族、血族という檻の中から出て、自立した人間として立ち上がる作品にしようと思った。人間賛歌を込めているのですが、お客様が終幕に深い闇を見るか、希望を見るか、分かれるかもしれません」(2008/7/7毎日新聞夕刊)
終幕における、あの世とこの世をつなぐ(私にはそう思えたのですが…)舞台上の水とそこに漂う曼珠沙華の赤、そして“水”という衣装をまとった出演者たちは、私にとって“絶望”ではなく、まさに生きる“希望”でした。

松たか子や鈴木杏、梅沢昌代ら女優陣に虚像と実像の両方を感じたような…それは女性であるがゆえなのか!?ただただ凄い、深い…。

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May 16, 2008

舞台評No.58 瞼の母 

瞼の母


作     長谷川伸
演出    渡辺えり  

出演    草なぎ剛  大竹しのぶ
       三田和代  高橋克実  高橋長英  梅沢昌代
       篠井英介  春海四方  西尾まり  高橋一生 


2208/5/15 ソワレ  世田谷パブリックシアター


歌舞伎や新国劇でお馴染み、長谷川伸の股旅ものの名作“瞼の母”
生き別れた母を捜す流れ流れの博徒、番場の忠太郎。しかし、やっと探し当てた母は、ヤクザに身を落した息子を冷たく突き放す…
名ゼリフ「こう上下の瞼を合わせ、じいっと考えてりゃ、逢わねぇ昔のおっかさんの面影が出て来るんだ」と共に母への切ない思いを断ち切って、忠太郎はまた厳しい渡世へと帰ってゆく。

出演者はセリフはこなしていたし殺陣や身のこなしも中々だったのだが、やはり時代劇、特に股旅ものの持つ七五調のセリフや着物の着こなし等や、あの時代の背負っていたものを実感として舞台で表現するのは本当に難しい、改めて感じさせられた。
それは、出演者だけでなく観客側にも責任があるだろう、観客ももっと勉強せねば…この事も改めて感じさせられた。

1時間30分の舞台は休憩も無く、場面転換の繋ぎ方も飽きさせずに素晴らしく、スピーディーであった。
しかし、場面毎の芝居の流れが場面転換によって途切れ途切れになって統一感に欠ける気もした、これは私が観たのが公演が始まって間もない頃だったからであろう、回を重ねる事でよりスムーズに流れていくに違いない。
そして、主役を張れるような役者たちを脇役として贅沢に使うキャスティングは、さすがシス・カンパニー公演であればこそ!

劇場の大半を占めていた若い女性客たちを見て…
こうやって草なぎ剛が“股旅もの”を舞台で演じる事で、もっと若者たちに“股旅もの”そして“長谷川伸”の作品の良さを知ってもらえるのは素晴らしい事である。
それが、氷川きよしが唄う“演歌”で“股旅もの”を知った若者もあったとしても…。

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May 15, 2008

舞台評No.57 越路吹雪物語 

越路吹雪物語


演出           宮田慶子  
脚本・音楽監督    高平哲朗

出演           池畑慎之介
            高畑淳子  草刈正雄  長谷川稀世 


2208/5/14 マチネ  日生劇場


子供の頃にテレビで観た越路吹雪こと“コーちゃん”は、オーバーアクションで濃いメイクと派手な衣装で唄い踊り、でもどこか心にも耳にも残る存在…没後30年近くが過ぎている。

まさにタイトル通りに“越路吹雪”の生涯が3時間弱で描かれる。
観た人誰もが言うように、池畑慎之介が演じる“コーちゃん”は確かに映像で観るのとソックリ。
永遠の親友であり仕事上のパートナーでもあった岩谷時子を演じる高畑淳子も、きっとそっくりなのであろう。

劇場の観客の8割方は私より上の年代、池畑慎之介演じる“コーちゃん”と“日生劇場”に、彼女の伝説の舞台“ロング・リサイタル”を重ね合わせているのであろうか!?…終演後の興奮度はかなりのものであった。
ロング・リサイタルを観る事の出来なかった私には、その感情移入は出来なかったが…。

かつて観た“美空ひばり物語(タイトルが定かではありません…)”もそうだったのだが、これだけの大スターの伝記を取り上げるのは、知られ過ぎているエピソードを抜きには描けないし、本にしても書き足りないエピソードや書けないエピソードもあるのだろうから、脚本にする事はきっと難しいと思う。ましてや、色々な制限のある舞台で上演するのだから尚更の事。
登場人物が実名で演じられる訳だし、観客も出演者のリアル感に拍手を贈るのも当然であろう、それもいた仕方のない事。
ホント難しい…。

舞台ラストのライブはゴージャスでどこか懐かしいが、かと言って懐古的になり過ぎてはいなかった。
越路吹雪の声を口パクではなく池畑慎之介自身の声で唄い演じる躍ることで、その絶妙なバランスと距離感が、新たな越路吹雪像を創り上げているのではないだろうか。

越路吹雪が亡くなった56歳を池畑慎之介氏が迎えたと言うので、このステージがファイナルと言うのが残念でもあるが、とても潔くも感じた。拍手!!!!!!!

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April 22, 2008

舞台評No.56 ラ・マンチャの男

ラ・マンチャの男


脚本     デール・ワッサーマン
作詞     ジョオ・ダリオン
音楽     ミッチ・リー
演出      松本幸四郎 

出演     松本幸四郎  松たか子  
        佐藤 輝  福井貴一  月影 瞳  瑳川哲朗  
       


2208/4/21 マチネ  帝国劇場


本公演中に上演1,100回を達成した、松本幸四郎の名舞台。
幸四郎さんの大ファンであり、作品としての「ラ・マンチャの男」の大ファンでもある私としては、多分5回目くらい…!?

16世紀末の、スペイン、セビリア市の牢獄。詩人であるセルバンテス(松本幸四郎)は教会を侮辱した罪で投獄される。
牢獄の中で囚人たちと繰り広げる物語。セルバンテスは田舎郷士キハーノに扮し、キハーノはドン・キホーテになり、またキハーノに戻り、そして再びドン・キホーテとして死んでいくと言う三重構造。
そしてセルバンテスは法廷へ…。
ホントに難しい、私の理解力ではあらすじを上手く書く事が出来ない。
複雑な構成になっているので、その内容を理解したくなると嵌ってしまい何度でも観たくなる、中毒性のある作品。そして、何度観ても新たな発見がある作品。

やはり朗々と“見果てぬ夢”を歌う幸四郎が素晴らしい。
40年ほど前に初演されて以来同じ役を演じている幸四郎、その重みや深さが役の年齢と本人の年齢と近づいているからだろうか、以前よりもとても切なく重く聴こえてくる。
幸四郎氏がこの役と別れる時が来るのを考えると、舞台の儚さや宿命が感じられるが、体力と気力が続く限り、最後の最後まで演じてもらいたい役であり作品である。

かつて観た時には可憐で美しい姪のアントニアを演じていた松たか子が、草笛光子(私は観ていないが)、上月昇や鳳蘭が演じた運命の女アルドンサを演じきっていた…心から拍手を贈りたい!
まぁ、自分もそれだけ年を重ねたと言う事ですが…。

出演者たちのアンサンブルの素晴らしさにも、拍手拍手!!

とにもかくにもこの「ラ・マンチャの男」と言う作品、1度観ただけで“よく分からない”“難しい”と決めつけないで、2度3度と観て、新たな魅力を感じ取って欲しい。
“よく分からない”“難しい”からこそ再演が重ねられている…そんな作品である。

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March 15, 2008

舞台評No.55 ベガーズ・オペラ

ベガーズ・オペラ


原作     ジョン・ゲイ
音楽     イローナ・セカッチ
脚色・演出  ジョン・ケアード

出演     内野聖陽  笹本玲奈  島田歌穂
        森公美子  近藤洋介  高島政宏  
        橋本さとし  村井国夫


2208/3/5ソワレ  日生劇場


1782年のイギリスで生まれた。それまでの上流階級だけの楽しみであったオペラを、ベガー(乞食)たちが皮肉ると言う音楽劇「ベガーズ・オペラ」。
上演当時、大衆は熱狂し、皮肉られた上流階級の人たちは唖然としたとか…。
この作品は“世界最初のミュージカル”と称されている。
そして、初演から278年後→2006年の日本で上演され、今回再演。
     
“マクヒース”“ビーチャム”等々ブレヒトの「三文オペラ」で聴き慣れた名前が登場するので、何か親近感が沸いてきて、初めて観たのに、初めてじゃないような…この作品が原型となっているのだから、当然と言えば当然(笑)。
しかし、「三文オペラ」以上に、マクヒースの女関係や女遍歴がクローズアップされておりました。
「三文オペラ」の持つダークさよりもどこか滑稽で人間の性の愚かさや哀しさが…。
そのせいか、マクヒース役の内野聖陽がソフトでセクシーな女ったらしに徹していて、魅力・演技力再発見!

1782年のイギリスの劇場をイメージした舞台セットが豪華で素晴らしい。
ステージ上にも客席を置いていたり、出演者が客席に飛び込んでやりとりをしたり歌ったり踊ったり…未だ日本人はこう言う趣向に慣れていないんだろうなぁ、でも、観客参加型の演出をもっともっと楽しめれば、演劇の客層も広がっていくのでは!?研修か修学旅行なのだろうか、2階席の半分を占めていた高校生の集団の盛り上がりも、ラストに近づくに従ってヒートアップ↑↑やがて劇場全体も↑↑↑

61曲にも及ぶ歌がバラエティに富んで面白く楽しい。
バロックオペラ風を中心にイギリス民謡調にバラード、そしてソロに二重唱に合唱。
高低差がある高度な歌唱力を要求されるめくるめく歌たち、そしてかなり激しい振りのダンス…出演者たちの努力と才能が存分に発揮されておりました。

やっぱり森公美子のコメディエンヌ振りは、何度観ても流石です!

ただ、私だけなのかも知れないのだが、ベガーズ(乞食)が一般大衆の代弁者として上流階級を皮肉ると言うシチュエーションに、イマイチ入り込めなかったのは残念。
格差社会と言われいる日本であるからこその演出がどこかにあれば…イギリス設定って言うだけで、どこかゴージャスなイメージになってしまうのだろうなぁ。
例えば、かつての日本の農民一揆にでも置き換えたら少しは分かるようになるのなかなぁ!?
まぁ、私は演出家ではないので、そのあたりはプロの方におまかせしたいと思います(笑)。

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January 30, 2008

舞台評No.53 音楽劇  肝っ玉おっ母とその子供たち

音楽劇  肝っ玉おっ母とその子供たち

作          ベルトルト・ブレヒト
訳・上演台本    岩淵達治 
演出         西川信廣

出演 草笛光子
            久世星佳  田中壮太郎  鍛冶直人  鬼頭典子 
            大森博史  坂部文昭  高橋長英            


2008/1/28  THEATRE1010


B・ブレヒトの名作、17世紀のドイツが舞台。
“肝っ玉おっ母”と呼ばれるアンナは荷車を自分達で(最初ひいていた馬は死んでしまった…)ひきながら、3人の子供たちと戦場を移動しながら商いをして生計を立てている。
二人の息子は次々と出征し、口のきけない娘と二人きりで商いを続けていたのだが…。
子供たちを失いながらも、それでも生きていかなければならないアンナ、その姿は逞しくもあり憐れでもあるのだが、しかしあくまでも前向きで強い…。
終わることのない戦争の虚しさや愚かさを描いた作品。

14年ぶりに舞台で歌を披露すると言う草笛光子の存在感が凄い…約3時間の舞台。いったいお幾つ?と聞き返したくなるほどのパワーに圧倒されてしまいました。
“ラマンチャの男”のアルドンサだってまだまだ演じられそう!ダンスと歌満載のミュージカルが観てみたい!!(是非是非希望!!!)

場面転換も気にならずに思えたのは、映像や音楽を上手く使っていたからだろう。
戦争の本質がより伝わってきました。

劇場であるTHEATRE1010には初めて行ったのだが、想像以上に素晴らしい劇場でした。
タッパはあるし舞台の奥行きもあり、新国立劇場中劇場を彷彿させてくれました。
2階席の一番後ろの約40席は千住席と言う事で1010円との事、係の人に聞いてみると、前売り発売まもなくソールド・アウトしてしまうらしいのだが…それにしても、足立区恐るべし(笑)

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January 17, 2008

舞台評No.52 初春大歌舞伎  連獅子

初春大歌舞伎  

連獅子


河竹黙阿弥 作


松本幸四郎
市川染五郎

2008/1/16 歌舞伎座


株価が大暴落しようと格差社会が広がろうと、やはり1月の歌舞伎は華やかであって欲しいし、あらねばならない…そんな思いを込めて観た「連獅子」。
アクティブでゴージャスで分かりやすいから、獅子の鬣を振り回すパフォーマンスには客席の外国人達も拍手喝采。
何度観ても、お正月らしい演目です。

今回の「連獅子」は幸四郎、染五郎父子。
まさに、幸四郎の貫禄と染五郎の若さの競い合い。
しかし、染五郎のサービス精神(?)が若さゆえに勝っていたのか、これでもかこれでもって言う派手な動きに客席は興奮状態…幸四郎の熟練の技が少しかすんでしまうのは仕方ないことなのか、少し悲しい気もしてしまいましたが。

あと10年位は幸四郎、染五郎父子の「連獅子」を観続けたいものです。

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